生物濃縮逆利用
生物濃縮という現象がある。
この現象は、生物体内に必要な物質や有害物質が蓄積する現象だ。
これには食物連鎖が大きくかかわっている。
微生物や植物など生産者が食物連鎖により小動物に捕食され、
小動物が大型生物に捕食され…となるが、この際にある種の
重金属などが大型生物体内に蓄積されることだ。
ある種の公害病などもこうして引き起こされたりした。
人間にとっても決して他人事ではない。
また、ふぐ毒であるテトロドトキシンもふぐのえさのゴカイが
溜め込んでいたものであり、元はといえば海底の微生物由来だ。
生物濃縮をふぐは利用し、人間はときたま毒にあたって死ぬわけだ。
逆に言うとテトロドトキシンの含まれていないえさなら問題はなくなる。
無毒なふぐはどこもかしこもおいしゅうございました。
イルカなんかは水銀溜め込みまくりであんまり食べないほうが
いいかもしれない。
ただ、ひげ鯨なんかは溜め込んでない種も存在する。
それで数が多いものも…いやまぁそれはさておき。
しかし、そうやって生物濃縮に利用されてばかりの時代はもう
おわりになるかもしれない。
逆に人間のほうが生物濃縮を利用してやるのだ。
ある種のしだ植物だが、これが恐ろしく大量の砒素を体内に取り込む
ことが明らかになっている。
砒素濃度が高い土壌の場合、すさまじい勢いで砒素を吸い込み、最終的に
体の構成物質の2.3%が砒素になるという状態になった。
体は砒素でできている。
ここまで砒素の濃度が高いとある種危険物であるが、その一方このしだ、
砒素の濃度が低い土壌からも砒素を抽出できる。
すでにいくつかの会社が土壌回復に利用を開始している。
同じようなことはホテイアオイを用いても可能ではないかとも
考えられている。
恐ろしい勢いで増殖し、水中のりんなどを吸い上げられるからだ。
その一方であんまり恐ろしい勢いで吸い上げるというような
すごく生長する植物はいろんなもの大量に消費するのも問題である。
たとえばケナフを例にとって見よう。
二酸化炭素を大量に固定できるといわれているケナフだが、
成長の際に大量の栄養分を土壌から吸い取るのだ。
そりゃ当たり前といえば当たり前だけど。
すると土地がやせるわ穀物生産はできないわとえらいことに。
だめじゃん。
人間が利用するということでは微妙だが、ある種のイカは肝臓に銀を
溜め込むというわけのわからない生物である。
何でこんなことをしているのかはわからないが、イカの肝臓を集めると
銀が取れるということになる。最も生産コスト高すぎて使い物には
ならないだろうけど。
金の廃坑に植物をまいて金を取ることも考えられている。
土壌を酸性にし比較的植物が金を吸い上げやすいようにすれば
十分採算があうかもしれないとのことである。
危ないものもあったりする。
アガリクス茸はカドミウムを濃縮するらしい。
もし土壌回復に利用する気ならそれも使えるが、摂取する場合には十分に
気をつけてほしい。
これだけいろいろと書いたが、まだこれはほんの一部に過ぎない。
生物濃縮という危険にもなりうる自然現象も利用できれば実に有効な
技術にもなりうるといえるのではないだろうか。
ある意味エントロピーにけんかを売ってるわけだよな、生物。
ところで、私の部屋はエントロピーの法則に従いすぎてやばいんですが…
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